トップページ>窒素汚染>水の窒素汚染は浄水器もダメ!:102号(2008/2/20)

メールマガジンの公開
次々と報道される農薬・化学物質・カビ毒… 食の安全は崩壊したのでしょうか?
まぐまぐ殿堂入りメルマガ<危険かも?その食事!>を緊急公開します!


水の窒素汚染は浄水器もダメ!

マスコミが報道しない深刻な地下水の窒素汚染問題を連続して取り上げてきました。酪農と大規模農業だけが窒素汚染の原因ではありません。私もあなたも窒素汚染の原因を作っています。
地下水はすでに全国レベルで汚染が進行しており、汚染基準10ppmを超える取水原水地域がいくつかあります。
市販されているペットボトルにまで、硝酸態窒素が検出されているという報道があります。なぜ、除去できないのでしょうか?

というわけで、今週は窒素汚染された地下水を浄化することがなぜ難しいのか、どう対処すればいいのかをお伝えします。

窒素汚染のプロセス

生物が生きていく過程では、窒素循環が起こります。まず、植物が枯れたり、動物が糞尿を排出したり死んだりすると、微生物によって分解され、アンモニア性窒素に変わります。これは次いで硝化バクテリアの働きで、亜硝酸性窒素となり、さらに硝酸性窒素と変化します。 アンモニアも亜硝酸も有害ですが、硝酸になるとうんと毒性が低くなります。

この硝酸性窒素は植物に吸収され、養分として利用されます。このように自然界では窒素は完全にリサイクルされ、窒素循環のリングが回っているのです。

蛇足になりますが、これは水中も同じです。水槽内で観賞魚を楽に健康に飼うためには、濾過器に硝化バクテリアをしっかりと湧かせることが大切です。これができると、魚の糞尿や餌の食べ残しが、硝化バクテリアの餌となって窒素循環が起こります。最終的には硝酸イオンだけが水槽内に残ります。これを定期的に換水によって除去するか、水草を植えて水草に吸収させると完全な窒素循環が完成します。

日本における窒素循環は破綻している!

では、日本では何が問題なのでしょうか?
自然界が処理できる量をはるかに超えてしまった窒素が大地に撒き散らされているのです。まず、海外から食料や飼料が大量に輸入されています。窒素換算で92万トンです。窒素循環の外から強引に持ち込まれているわけです。国内生産される量69万トンをはるかに上回っています。

さらに、国内生産される食料や飼料も、その収穫量を増やすため化学肥料がドバッと農地に撒かれています。57万トンです。さらに家畜の糞尿など75万トンの94%が再利用、すなわち大地に散布されています。肥料としてではなく、廃棄されているケースもかなりあるようです。

もう、大地は悲鳴を上げています。窒素循環もヘッタクレもない!処理できない硝酸性窒素は地下水に吸収されます。日本における窒素循環は破綻している!これが日本の大地と水の実態です。

窒素汚染は浄水器もお手上げ

硝酸性窒素(硝酸態窒素とも)は、今のところ浄水場では除去できません。なぜなら硝酸性窒素NO3-Nは水中でイオン化し、微小すぎてフィルターなどで濾(こ)せないのです。

硝酸性窒素とは、簡単にいえば大気汚染で出てくる「NOx」がイオン化したものといえます。硝酸イオンNO3-に金属が結合したものを硝酸塩といい、とくに窒素Nがくっついたものを硝酸性窒素と呼ぶのです。硝酸性窒素は窒素化合物の酸化によって生じる最終生成物です。

さて、水中に溶け込んだイオンは極めて微細です。そのため、活性炭でも中空糸膜でもセラミックでも取り除くことができません。唯一、逆浸透膜だけがイオン化した金属でも除去する能力がありますが、逆浸透膜を通過させた水は純水といわれ、飲用水には適しません。

逆浸透膜は私も観賞魚の繁殖にために導入し、利用したことがあります。今は家庭用の逆浸透膜浄水器も販売されていますが、当時はすごく高かった!
で、得られる純水ですが、純水とは混じりけのない水で、周りのものが溶け出します。プラスチックの容器になどに入れてはいけません。また、水道水と適宜混ぜるか、ミネラルを添加しなければ使えません。純水をそのまま水槽に入れると、魚はひっくり返って泳げません。飲用すると下痢をしやすいといいます。何よりすごく不味い!!

いずれ硝酸性窒素が除去できる実用的な家庭用浄水器が出てくるでしょう。が、工場で詰められるミネラルウォーターでさえ汚染されていて、味を変えずにそのような浄化ができていないのが現状です。地下水を原水としている地域の方で、特にこれから出産をひかえている方は、う〜ん、どうすればいいんでしょうか?

窒素汚染、今後の方向

政府はまったくこの問題をどうしたいのか意思表示していません。問題認識はしているはずですが、国民の耳には届けたくないみたい。
こんな事態を生じた食料の輸入と窒素肥料の大量散布をひかえること、家畜の排泄物の再利用を制限することしかないと思います。

長年に渡り、効率のみを重視し、大地を汚し続けた報いが地下水の硝酸性窒素汚染です。化学肥料への依存を断ち、有機農業への回帰をめざし、食料の自給率を高めることで、窒素循環が再び機能するレベルへ農と食をめぐる環境を移行させること!
そのことの方が机上の空論に近い環境対応や温暖化対策より日本では優先すべき問題だと私は思います。

編集後記:『L change the World、松山ケンイチがかわいそ!』

『L change the World』をご覧になる予定の方は、以下を読まないでください。


おすすめ度:★☆☆☆☆

『L change the World』は『DEATH NOTE デスノート』のスピンオフムービーです。“キラ”こと夜神月(藤原竜也)を追いつめた、もう1人の主人公“L”を主役にした外伝です。その存在感でライトを食ってしまったL。松山ケンイチのファンが一気に増えたことでしょう。

デスノートでライトよりもエルに惹かれた人は多かったのではないでしょうか? 私もそんな一人です。ライトとエルの頭脳戦は見ごたえがありました。藤原竜也はまるで舞台でシェークスピア悲劇を演じているようでしたし、松山ケンイチは冷めた視線でライトを追い詰めました。

そのエルが主役の映画が作られる、という早々のアナウンスに、期待はいやがうえにも高まりました。しかし…
封切直後からファンの評価が割れたというか、悪評が高かった作品です。それでも見ないと後悔が残ると思い、映画館へ足を運びました。出だしはデスノートをなぞりながら、ワタリ(藤村俊二)が重要な役回りを演じ、L以外にもFやKといった特殊捜査員が現れて、おもしろそうやんかと思わせてくれたのですが…

今回の敵はそのK(工藤夕貴)。そして特殊メークを施した悪人役に高嶋政伸とその一味。とにかく頭が悪いの一語につきます。そして粗暴。こんなのはLの相手としてふさわしくないのです。走り回り、アクションをする松山ケンイチをあなたは見たいですか?

監督は中田秀夫。そう、リングの監督ですね。感染症を扱いますが、その患者の死亡シーンが残虐だというコメントが多数ありました。まあ、さほどでもなかったのですが、映画の質を貶めたことは事実です。

結局、シナリオが悪い!ストーリーもキャラ設定も全然、デスノートとは別世界。なのにデスノートのキャラがすわり悪そうに動いている、Lの死亡までのカウント、『あと何日』もちっとも緊迫感を与えない。ホラー監督も不適切!

見る価値のない映画です。それでも久しぶりにエルに会いたい、松山ケンイチを見たいという猛烈なファンの方は、ストーリーを追わずに見てください。L(エル)は変わらず、チャーミングでした。

>ショーンさん、本文より熱っつい編集後記だねぇ。
ごめんね。最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。



【関連情報】
Copyright (C) 2008 食の安全 All Rights Reserved.