トップページ>食品汚染>ジクロルボスは身近にある:104号(2008/3/17)

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次々と報道される農薬・化学物質・カビ毒… 食の安全は崩壊したのでしょうか?
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ジクロルボスは身近にある

メタミドホスに続いて中国製冷凍餃子から発見されたと報道されたのがジクロルボスでした。その後、徳島県知事がギョーザの袋から検出された有機リン系農薬ジクロルボスは、店内で使われた殺虫剤だった、と発表し、中国国内では一斉に殺虫剤混入は日本で起こったと報道しました。

その直後、冷凍サバからジクロルボスが発見されました。やはり中国の工場で製造されたものです。若林農相が「しばらくサバは嫌だ」と発言して物議を醸しましたね。

さて、この中国冷凍餃子を迷走させたジクロルボスとはどんな農薬なのでしょう?
今週のテーマはジクロルボスです。

ジクロルボスは日本でもポピュラーな殺虫剤

ジクロルボスは農薬として使われますが、家庭や事業所でも広く利用されているポピュラーな殺虫剤です。上の写真をご覧ください。アース製薬のバポナとか大正殺虫プレートはご存知でしょう。樹脂板蒸散剤(DDVP製剤)と呼ばれるものです。

ジクロルボスは有機リン化合物です。メタミドホスと似た化学構造をしています。DDVPと略されます。分子式はC47l24Pです。Pがリンですね。

農薬として開発され、日本を含む世界中で広く用いられています。水には溶けにくく、有機溶剤に溶けやすい性質があります。このため、揮発しやすく即効性が高いので、農薬として野菜、果樹、茶や桑などに広く利用されます。
原体は毒物及び劇物取締法の劇物、製剤は薬事法の劇薬に指定されています。

また、劇物指定であるにもかかわらず、家庭用殺虫剤としても一般用医薬品扱いで市販されており、14歳以上であれば薬局・薬店で購入することができます。劇薬に指定されているため譲受書に記入しなければなりませんが、多くの薬局でフリーで入手できるのではないでしょうか。

劇薬ジクロルボスを家庭で使っていいの?

ジクロルボスの樹脂蒸散剤は、以前から家庭や店舗で広く使用されてきました。ところが、ヨーロッパで使用規制が進み、2004年に東京都生活文化局がジクロルボス樹脂蒸散剤の使用時における室内空気中濃度を測定したところ、一日許容摂取量(ADI)を超過したとして国へ再評価の提案を行ないました。

ジクロルボスを含有する蒸散型殺虫剤の使用は要注意!(東京都)によれば、『東京都は、東京都消費生活条例に基づき「ジクロルボス(DDVP)を含有する殺虫剤」について調査しました。その結果、この殺虫剤を用法用量どおりに使用した場合でも健康に影響を与える恐れがあることが明らかになりましたので、危害の未然防止を図るため、国への緊急提案を実施するとともに消費者への注意喚起を行います。』と明記しています。

ジクロルボスの室内濃度は、吊り下げタイプで最高濃度150μg/立方メートル、殺虫機装着タイプで最高濃度450μg/立方メートルに達しました。一方、一日許容摂取量(ADI)は165μg/日です。恐ろしく高いレベルですね。

しかしながら、この東京都の指摘を受けても、厚生労働省はジクロルボス樹脂蒸散剤の販売を禁止しませんでした。ADIをベースに安全性を論ずることは必ずしも適当でないとし、人が長時間留まらない場所に使用を限定するよう用法を変更しただけです。これが日本の薬事行政です。

ジクロルボスの毒性

発ガン性及び変異原性が確認されており、イギリスでは販売などが制限されています。また、白血病や非ホジキンリンパ腫・前立腺ガンとの関連が報告されています。吐き気・おう吐・胃けいれん、下痢等の急性毒性が強く、長期に渡って被曝した場合は、頭痛、記憶と集中力の障害、眠気や不眠症、倦怠感等の症状が現れます。
メタミドホスの中毒症状とよく似ていますね。ジクロルボスの毒性はメタミドホスよりやや弱い程度といわれています。

居室 (客室・事務室・教室・病院を含む)や食堂、厨房などの飲食する場所及び飲食物が露出している場所、人が長時間留まる場所では使用しない、ということになっていますが、今回、徳島では食料品を扱う店舗の店頭でジクロルボスが使われたということですね。

中国野菜や加工食品だけが危ないわけではなく、無知な日本の食品売り場も限りなく危険だということが分かりました。バポナを売り場に平気で吊り下げているようなスーパーやコンビニで食品を買ってはいけません

編集後記:映画『犬と私の10の約束』

犬好きな方へおすすめ度:★★★★☆

『犬の十戒』が話題になったとき、ウエブ上で探して読みました。『犬の十戒』は作者不詳の英文の短編詩が口伝えで広まったものです。犬の言葉で飼い主に呼びかけます。訳文じゃなくて英語の原文で読んだ方がいいですね。

私は10年かせいぜい15年しか生きられない、ほんのわずかでもあなたと離れていることは辛い、そのことを忘れないで私を買ってください。ああ、もう第1項からウルウルし始め、第10項の最期は私のそばにいてほしい、で号泣してしまった私です。

その『犬の十戒』をベースに書かれた小説『犬と私の10の約束』の映画化です。ハンカチを持って封切の昨日、映画館へ行きました。

舞台は北海道。函館から札幌へ、再び函館に戻り、旭川へ。函館の風景がなぜか懐かしさを覚える不思議な既視感。『犬の十戒』が冒頭と最後のシーンで語られ、ゴールデンリトリバーのソックスとあかり(福田麻由子)の出会いから母(高島礼子)の死、犬嫌いで多忙な外科医の父(豊川悦司)とあかりのすれ違い、大人になったあかり(田中麗奈)が獣医になり、恋人との時間が大切になり、ソックスとの距離がみるみる広がり、やがて10年が過ぎて…

この映画、たぶん犬が好きでない方には、犬の10年という時間が本当には実感できないのではないでしょうか? 我が家にも1歳のトイプードル・フー がいます。この犬を飼い始めた頃、私は57歳でした。この犬より先に死ねないなって本当に思いました。それくらい、やってきた子犬はかわいかったんです。

ただ、映画では犬にうなずかせたり、引っ越した飼い主を追いかけて電車に飛び乗らせたり、監督のこまかな演技指図がじゃまでした。たぶん、犬に興味のない方には駄作に見えるかも…


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