トップページ>免疫>最新のアレルギー治療法:110号(2008/8/1)

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最新のアレルギー治療法

前号109号で述べたのは1型アレルギーについてでした。アレルギーには1型のほか、2型・3型・4型・5型とあり、それぞれアレルギー発症のメカニズムが異なります。

ただ、蕁麻疹や食物アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といったポピュラーなアレルギー疾患は、ほとんど1型に含まれるため、このメルマガでは1型アレルギーのみを扱うこととします。

今週はアレルギー治療法がテーマです。
※写真は食物アレルギーとアナフィラキシーに対する理解を広め、患者と家族を支援する「食物アレルギーの子を持つ親の会(PAFA)」のシンボルマークです。

除去食療法

食物アレルギーの治療法の一つとして、原因を取り除く食事療法(除去食療法)があります。 アレルギー反応を起こすアレルゲンは約200種類ほどあるといわれており、アレルギー患者が持つIgE抗体もそれに対応するだけの種類があります。IgE抗体を検査することによって被験者がどのようなIgE抗体を持っているかを調べることができます。代表的な検査法は、少量の血液によって簡単に検査できるRAST検査です。

食物アレルギーの確定診断は、血液検査等で疑われる食物を除去試験(やめてみる)と負荷試験(食べさせてみる)を行うことにより確実に診断できます。

ただ、アレルゲンは一生を通じて不変だという訳ではなく、年齢とともに卵白、牛乳、ペット、穀物、ダニ、花粉と移り変わっていく小児アレルギーもあります。アレルギーマーチと呼ばれます。

ステロイド剤

ステロイド剤は副腎皮質ホルモン混合剤で、吸入薬、点眼薬、目薬、塗り薬などの外用剤として使用されます。炎症を起こしている箇所に直接作用し、炎症を取り除く効果があります。局所での効果が強く、数日で効き目が現れます。副作用があると指摘されています。

抗ヒスタミン剤

ヒスタミンは生体内の化学伝達物質の一つで、ヒトの身体の中でいろいろな情報を伝える働きをしていますが、アレルギー症状を引き起こす原因物質でもあります。

抗ヒスタミン剤は、ヒスタミンの働きを抑え、鼻水やくしゃみ、かゆみ等の症状を抑える内服薬です。すなわち、ヒスタミンが鼻の粘膜や毛細血管にあるレセプター(受容体)と結合しないようにブロックするのです。抗ヒスタミン剤は比較的早く効果が現れ、副作用の心配が少ないです。ただし、眠気を催すものがあるので、危険な作業や車の運転には注意を要します。

抗アレルギー剤

抗ヒスタミン剤がヒスタミンとレセプター(受容体)との密着をガードするのに対し、抗アレルギー剤はヒスタミンが肥満細胞から出るのを抑える作用があります。抗ヒスタミン剤が速効性であるのに対し、抗アレルギー剤は効き方がマイルドで十分な効果が認められるのに2〜4週間を要します。抗アレルギー剤は予防的に服用される薬だといえます。

細胞外からのカルシウム流入が、アレルギー反応を引き起こす

アレルギー治療の最前線情報です。

アレルゲンが異なっても発症には肥満細胞が関わっています。アレルゲンが体内に侵入すると、アレルゲンに反応する抗体IgEが作られます。このIgEは、ふだん肥満細胞上のIgE受容体と結合しています。そして、アレルゲンが再び侵入してくると、肥満細胞表面のIgEとアレルゲンが反応し、その結果、肥満細胞が活性化して化学物質を大量に含んだ顆粒を放出したり、炎症性サイトカインを産生したりします。これらの化学物質によって発赤、かゆみ、平滑筋の収縮といったアレルギー炎症反応が起こるのです。
※詳しくは前号109号『1型アレルギーの発症メカニズム』をもう一度、ご覧ください。

最近になって、肥満細胞の顆粒放出には、細胞質内のカルシウム上昇が関わっていることが分かってきました。
さらに、肥満細胞の顆粒放出に細胞外から細胞質内へのカルシウム流入が重要であることが発見されました。そのカルシウム流入には、STIM1というタンパク質が必須なことまで明らかになっています。実際に、STIM1の発現が低下したマウスでは、アレルギー反応が抑えられました。

肥満細胞からの顆粒放出や炎症性サイトカインの放出は、花粉症、アレルギー喘息や食物アレルギーなど、様々なアレルギー反応を起こします。肥満細胞におけるSTIM1の機能を人為的に制御することで、これまでとは全く違うアレルギー治療法が開発できると期待されます。

編集後記:犬のアレルギーを治すのにインターフェロン

犬のインターフェロンγ製剤は2年前に開発され、インタードッグという商標で販売されています。発売元は東レ株式会社です。

生態防御機構において、B細胞からのIgE産生を促進するTh2細胞は、細胞性免疫応答を促進するTh1細胞とバランスをとりながら、重要な役割を担っています。
アトピー性皮膚炎の犬では正常な犬に比べるとTh2細胞の方が、Th1細胞より優位になっており、症状改善にTh1/Th2のサイトカインバランスが重要な役割を果たしているのだそうです。

出始めの頃は、データがないので1日置きにうったりしてらしいですが、2年経ち、いろんなデータが揃って、今では1週間1度で良いらしいです。この治療は若ければ若い方が効きが良いらしく、5歳を越えると効きが鈍いようです。
ペットのアレルギー治療もインターフェロンを使うところまで進歩しているのですね。


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