トップページ>免疫>がんと免疫:111号(2008/8/12)

メールマガジンの公開
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がんと免疫

写真は右下の小さなキラー細胞が大きなガン細胞を攻撃している様子です。ガン細胞は攻撃を受けて穴だらけです。この穴はキラー細胞がパーフォリンを放出してあけたものです。こうなるとがん細胞は死滅してしまいます。ところが、がん細胞の破片にはがん遺伝子が含まれ、これが正常な細胞にとりつくと、正常細胞ががん化してしまいます。これががんの転移です。

この転移を防ぐため、キラー細胞はグランザイムと言う酵素を出して、ガン遺伝子を機能しない状態にまで細かく切断してしまいます。

今週は免疫とがんの深い関係がテーマです。

がん発症の外的要因

がんは身体のあらゆる臓器、器官に発生します。元々、正常な細胞だったものが、外的な要因で遺伝子が損傷し、がん化します。がんは発生する臓器や器官、その部位によって、症状も治療法も異なり、それぞれに名称がつき、専門化された医療体制のもとで治療に当たられます。

個別のがんについて触れることは、このメルマガの趣旨を逸脱するのでやめておきます。あくまでなぜ、正常な細胞ががん化し、その治療は外科的な除去や放射線の治療といったがん細胞をたたきのめす方法しかないのか、についてお話します。

さて、右の表はがん発症の引き金になるといわれている外的要因です。要するにDNAの塩基配列に傷をつけてしまう要因を列挙しています。これは外的要因の経路別リストと言えるでしょう。生活習慣のどの部分に気を配ればよいかが分かります。
食事とタバコだけで、がんの原因の約65%を占めるということですね。

また、健康診断などでは、家系のがん死亡者を問診する項目が必ずあります。このため、がんは遺伝すると思われている方も多いでしょう。でも、大半のがんは遺伝しません。発症しやすい体質が遺伝するとも言われていますが、要するにがんは当人の生活習慣に負うところが大です。

がん発症の内的要因

実はがん細胞は健康な人でも毎日できているのです。しかし、全員にがんが発生しないのは、免疫機構が機能してがん細胞を排除してくれるからです。

冒頭、電子顕微鏡写真を見ていただきましたが、キラー細胞をもう少し詳しく説明しますと、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とT細胞があり、T細胞は細胞表面にT細胞レセプタを発現しています。

NK細胞とT細胞の違いは、細胞を殺すのにT細胞は事前に接触し感作させておく必要があるのに対し、NK細胞はこのような感作なしに機能する点です。このことから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味で名づけられました。

このほか、樹状細胞も免疫細胞の一種であり、NK細胞とT細胞と連携して免疫メカニズムを構成します。マクロファージは白血球の1つであるアメーバ状の細胞で、生体内に侵入した細菌、ウイルス、又は死んだ細胞を捕食し消化します。

これらの免疫機能が活性であれば、発生したがん細胞は消滅します。しかし、このような免疫機能は年齢とともに低下し、感染症やがん発症を招きやすくなるのです。

がんの免疫療法

がんの治療にはいろいろの方法がありますが、主なものは「外科手術」「化学療法」「放射線療法」でした。いずれも治療効果以上に副作用が大きく、患者に苦痛が伴うことがありました。また、年令や体力の面で施術が難しいケースも多くありました。

免疫機構ががん発症を防止するのであれば、これを高めてがんを治療しようという新しいがん治療法が実用化されるようになりました。『免疫療法』は副作用などの苦痛をともなわずに、生活の質を高める点が注目されています。

免疫療法は、活性化リンパ球療法(活性化自己リンパ球療法)などの最先端の細胞免疫療法(免疫細胞療法)から、東洋医学である漢方療法、健康食品(アガリクスなど)の類までいろいろな種類があります。

活性化リンパ球療法は、少量の血液から調製できる免疫細胞を使用して高いがん再発予防効果が得られています。このような疫学療法と東洋医学をベースにした食養生が融合して新しいがん治療の道が拓けるのではないでしょうか。

編集後記:北島康介選手の金メダル

いよいよなんだかんだ言われてきた北京オリンピックが始まりました。
そして、いきなりの北島康介選手の世界新での金メダル、おめでとうございます。

もう昨日から何度も何度も繰り返し放映されているので、ご覧になった方が多いでしょうが、朝っぱらから試合をしているのですね。なぜか?米国のメディアの強い要望で、アメリカのゴールデンに生放送させるためだそうです。
だから、生放送の映像をご覧になった方は少なかったのではないでしょうか。私?私は生放送を堪能しましたよ。

それにしても、勝負を決するこの泳ぎへの彼の集中力はすごいですね。準決勝は芳しくない記録だったのに、ちゃんと修正してくる。ストロークをゆっくりしたそうですが、心が急くのに焦らないでゆっくりストロークするってできないことだと思います。

ライバル・ハンセンは力を出し切れず、メダルさえ手にできませんでした。北島選手はレーザーレーサーを身につけて泳いだのは、確か先月が最初ではなかったでしょうか。泳ぎ終えた直後のインタビューが一番素敵でした。こちらまで涙がこぼれちゃいました。

たゆまぬ努力と強い精神トレーニングがあってこそ、初めて自分を信じることができるのでしょうね。スタート台に立つ直前の彼は、人を超えていたように感じました。おめでとう、そしてありがとう。勇気をもらいました。


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