トップページ>食品汚染>牛乳にメラミン:114号(2008/10/15)

メールマガジンの公開
次々と報道される農薬・化学物質・カビ毒… 食の安全は崩壊したのでしょうか?
まぐまぐ殿堂入りメルマガ<危険かも?その食事!>を緊急公開します!


牛乳にメラミン

ちょうど1月前、驚くようなニュースが報道されました。中国で乳幼児に死者を含む腎臓結石患者が多数出た三鹿(さんる)集団の粉ミルク事件で、中国当局が原料乳に何者かが故意に毒物のメラミンを混入させたとの報道です。

メラミンって食器などにも広く利用されているあのメラミンです。今回のメラミン投入は食品テロとして行われたのではなく、原料乳を水で薄めて増量するとともにメラミンを加えてタンパク質の含有量を増やすよう行われた偽装、営利目的の犯罪行為でした。

なぜ、メラミンを投入するとタンパク質の含有量が増えるのか、これは一過性の事件なのか、この春に起こった米国でのペットフードによるペットの大量死との関係は? など多くの疑問がその後、吹き出してきています。
今号のテーマは中国での牛乳へのメラミン投入問題を扱います。

なぜメラミンでタンパク質量が増えるのか?

メラミンは「C」の分子式を持つ有機化合物です。工業的には尿素から合成されています。窒素(N)の割合が非常に高い物質です。メラミン樹脂の主原料となります。

生乳を酪農家から買い上げて乳業メーカーに売る集乳ステーションの業者がメラミンを混入した疑いが強まっています。集乳ステーションでは脂肪分やタンパク質、ミネラルなどの成分検査に合格する必要があります。タンパク質検査は、窒素の量から推定する「窒素定量換算法」が広く使われているそうで、この窒素検出量を偽装するためにメラミンが投入されたようです。

メラミンはタンパク質ではありませんが、タンパク質と同じ窒素原子を多量に含むため、メラミンを牛乳に混ぜると、タンパク質含量を多く見せかける偽装が可能になるのです。飼料や飼育方法に問題があったり、牛乳に水を加えてタンパク質が規定量に達しない場合に、メラミンを混ぜたものと思われます。

メラミンは本来、食品に含まれる物質ではないため、牛乳のこれまでの通常検査では検出することができません。この方法は、中国では検査法の原理の裏をかいた手口として、口コミでかなり広まっているものと思われます。

メラミンの毒性

メラミンは食器に使われるくらいですから、メラミンの毒性は低いのです。では、なぜ中国でメラミン入り粉ミルクを飲んだ乳幼児に5万人以上もの患者が出たのでしょう。ぼうこう結石と腎不全の症状が報告されています。

米食品医薬品局(FDA)の安全性評価によれば、メラミンの一日耐容摂取量は、体重1kg当たり0.63mg。一方、中国で見つかったメラミン入り粉ミルクの含有量は、最も高い製品で1kg当たり2563mgと、乳幼児の耐容量をはるかに超えていました。また、乳幼児はこの粉ミルクを長期に渡り摂取し続け、医師も乳幼児には珍しい結石を疑うことなく、発見が遅れたものと思われます。

米国でのペットフード中毒死事件との関係

2007年3月、米国でメラミンの混入した中国産原料を使ったペットフードにより、多数の犬・猫の死亡事故が発生しました。製品は即刻販売中止になりましたが、中国政府はなかなか責任を認めようとせず、5月になってようやく、中国内の江蘇省と山東省の2企業がメラニンをペットフードの原料である小麦グルテンと米タンパク質に違法に添加し、タンパク質含有量を偽装したことを認めました。

このメラミンが混入した小麦グルテンと米タンパク質は輸出された後、カナダのペットフード・メーカー、メニューフーズ(Menu Foods)が加工、販売しました。

つまり、今回の粉ミルク事件と同様のことがペットフードで既に行われていたのです。牛乳ではなく小麦グルテンと米タンパク質にタンパク質量の偽装のための事件は起こっていたのです。

この事件を受けて、農水省なのか厚労省なのか、ちゃんと乳製品を調べれば事前に発見できた可能性もあるのです。

メラミン投入は中国では広く行われているのではないか?

三鹿(さんる)集団によるメラミンの牛乳への投入は、河北省で行われました。
ペットフードの事故を招いた小麦グルテンと米タンパク質へのメラミン投入は、江蘇省と山東省で犯行が行われました。
中国内においてメラミン投入はかなり広範囲に渡って行われていることが伺えます。

このメラミンを投入すると、料理にコクが出る、という話もあり、中国では広く昔から行われていたのではないかと疑われます。つまり、メラミンの投入された食品は、もっともっと多いのではないかということです。

さらに今回の粉ミルク事件のメラミン主犯は8月には中国当局に分かっていたといいます。北京オリンピックのために当局が隠蔽したのでしょう。
また、北京周辺の省で起こったのに、オリンピック村の食事には混入しませんでした。これは、三鹿(さんる)の牛乳・乳製は危険だが、三元(さんげん)食品は安全だと当局が把握していたのではないか、また、金持ちは海外の粉ミルクを使っていたとの話もあり、今回、当局は貧困な国民と富裕層を区別して扱ったフシがあるとのワイドショーの報道もありました。

中国食品のリスクはこれほどまでに恐ろしいのです! チャイナ・フリーは米国でのお話では済みません。日本の中国食品工場も巻き込まれましたね。

編集後記:中国産冷凍インゲンから基準の3万倍の農薬

本日(15日)の報道で、ニチレイフーズが中国から輸入した冷凍インゲンから、食品衛生法の残留農薬基準の34,500倍(6900ppm:残留基準0.2ppm)に当たる農薬ジクロルボスが検出され、このインゲンを食べた東京都の主婦がむかつきなどを訴えて一時入院したそうです。

ジクロルボスは以前、このメルマガでも取り上げた農薬ですね。メタミドホスとは異なり、日本でもポピュラーな殺虫剤です。アース製薬のバポナとか大正殺虫プレートなど、樹脂板蒸散剤(DDVP製剤)と呼ばれるものの主成分がジクロルボスです。

中国黒竜江省の「北緑食品」が昨年8月に洗浄・冷凍し、今年7月7日に山東省の煙台北海食品が袋詰めしました。7万袋が同月末に輸入され、9月以降、5万760袋が出荷されています。
本文中の中国地図をご覧ください。黒竜江省は北の端、山東省はペットフードの事故を招いた小麦グルテンと米タンパク質へのメラミン投入が行われた地域です。近い!

まだ、原因などは不明ですが、警察が毒物混入の疑いで捜査に入ったそうです。でも、餃子事件もまだ未解決ですから、この問題もうやむやになるのでしょうか? それとも日本での犯行でしょうか?
いずれにせよ、これはもはや食品テロです。私たちは自衛をしなければなりませんが、どう自衛すればいいのでしょう? しばらくはチャイナ・フリーもやむをえないかもしれません。お金のために企業がメラミンを投入する国ですから…


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