トップページ>危険な油脂>大切なプロスタグランジンを作る脂肪酸:87号(2008/10/3)

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大切なプロスタグランジンを作る脂肪酸

プロスタグランジン分子構造

前号では体内の脂肪酸は食べた脂肪で決まり、飽和脂肪酸は一価飽和脂肪酸に、リノール酸はアラキドン酸に、アルファ・リノレン酸はDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されて、細胞内の脂肪酸となり、3つの脂肪酸系列は決して相互に補完し合うことはない、というお話をしました。
そして、アルファ・リノレン酸(n3系)とリノール酸(n6系)は、細胞膜の構成成分になるほか、体のさまざまな機能を調節するホルモン様物質、プロスタグランジンの原料となる、と指摘しました。

今週はプロスタグランジンとは何か、なぜn3系脂肪酸とn6系脂肪酸のバランスが重要なのかを検証します。

プロスタグランジンとは?

プロスタグランジン (prostaglandin:PGと略す) とは、全身のさまざまな生理機能を調節する生理活性物質の一種です。n3系脂肪酸とn6系脂肪酸が、このプログスタンジンの原料になります。

プロスタグランジンは、原料となる脂肪酸の種類によりグループ1(G1)、グループ2(G2)、グループ3(G3)の3つに分かれていて、グループ1はγリノレン酸から、グループ2はアラキドン酸から、グループ3はEPAから作られます。下の図をご覧ください。
プロスタグランジンの生成

牽制し合うn3系とn6系プロスタグランジン

プロスタグランジンは、3つのグループに分かれ、そのグループ内でさらに複雑な変化をして数十種類のプロスタグランジンがつくられます。その作用は実に多岐に渡ります。炎症・痛み・腫れの調整、血圧・心機能・胃腸機能と消化酵素の分泌調整、分娩誘発などの生殖機能の制御、腎機能と流動調節血液凝固と血小板凝集、アレルギー反応、神経伝達、各種ホルモンの産生などに関係しています。

ここで大切なことは、プロスタグランジンは3つのグループごとに異なる働きをしているということです。中でもn3系グループ3(G3)と、n6系アラキドン酸のグループ2(G2)は、相反する働きをして細胞機能のバランスをとっている点です。

例えば"炎症"という作用の場合、それを抑制するプロスタグランジンがn3系脂肪酸から作られるのに対して、アラキドン酸からは炎症を激化させるプロスタグランジンが作られます。G2とG3は「血栓を減らしたり、増やしたり」「発ガンを抑制したり、促進したり」「子宮を弛緩させたり、収縮させたり」「血管を拡げたり、狭めたり」して、互いに相反する働きかけをしています。1つの生理作用に対して、それぞれ反対の働きかけをしながら身体全体の機能を維持しているのです。

一方、現代人は肉・乳製品・卵などの動物性食品を過剰に摂取していますから、アラキドン酸由来のグループ2(G2)が過剰に生成され、n3系EPA由来のグループ3(G3)のバランスのくずれは目を覆うばかりです。n3系のαリノレン酸やEPAの摂取はアラキドン酸の1/10〜1/100と言われます。著しく細胞機能のバランスを欠いています。このバランスのくずれがさまざまな疾患を現代人にもたらしているのです。

n3系脂肪酸をどう摂取すればよいか

魚を食べ、EPAとしてn3系脂肪酸を摂取することができます。ただ、魚で十分なEPAを摂取しようとすると、タンパク質などが過剰摂取になる恐れがあります。
栄養学者はαリノレン酸での摂取、特に亜麻仁油を薦めています。

ここで、注意しなければならないことがあります。
通常、αリノレン酸がEPAに変換するためには酵素が必要です。その変換効率は15%程度で、さらにDHAになるの5%程度だそうです。大切な酵素をEPA、DHAの変換に振り向けるためには、αリノレン酸の積極的な摂取とともに、過剰なリノール酸を減らさなくてはなりません。リノール酸の代謝にも酵素が使われ、現在は酵素の多くがムダに使われているということになります。

つまり、脂肪の全体量を減らし、その上で亜麻仁油を積極的に摂ることが賢い脂肪との付き合い方といえるでしょう。
私は大さじ1杯の亜麻仁油を毎朝そのまま飲み、EPA・DHAのサプリメントをメーカの所定量よりはひかえめに摂取しています。外食での油ものは極力食べません。

亜麻仁油は一般的ではないというもののネット上でいくらでも手に入ります。酸化しやすいので品質管理をきちんとしているメーカーと販売業者を選んでくださいね。私はカナダ産の亜麻仁油を選んでいます。クール便で送ってくれる業者なら安心です。
あなたとあなたのご家族の健康のため、ぜひご検討されることをおすすめします。

さて、脂肪酸の話題は今回で一区切りをつけます。次回からは前々からきちんとまとめてみたいと思っていました『栄養バランスを整えるダイエット』と取り組みます。

編集後記『幸せのレシピ、楽しめました』

「幸せのレシピ」を観てきました。
いつもアクションものやSFに家内をつき合わせることが多いので、今回はしっとりした映画を選びました。ハリウッド映画だけれど、フランス映画のニオイがしましたね。フレンチ・レストランが舞台だったせい? いえ、粋なストーリーでした。

舞台はニューヨークで人気の高級レストランの厨房。主演女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じる料理長ケイトは完璧主義者。冒頭からおいしそうな料理とそれを作るプロセスが映画への食欲をそそります。

母親の急死でケイトと一緒に暮らすことになった9歳の姪ゾーイ。この子の演技がうまいんだなぁ、感心しちゃいます。アビゲイル・ブレスリン、天才子役といわれているようですね。納得...
ツンツンとつっぱっているケイトとからむのが、彼女の神聖な厨房に突然闖入してくるシェフのニック、アーロン・エッカート。ケイトとは正反対の陽気なキャラで、頑ななゾーイの心を開かせ、ケイトとの大人の恋が...

恋愛映画ってほとんど観ませんが、この映画、料理という彩りもあって楽しめました。



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